子供に期待するもの
世の親は、子供に期待する親が多いのではないかと思う。
そういう我輩も、昔はそうだった。
そう、長男が生まれる前までは。
長男が生まれる前は、男の子なら必ず野球をやらそう。
そして、甲子園、できればプロへと進ませたいと本気で思っていた。
しかし、生まれた長男は先天性の心臓病。
それも重度の障害だった。
生きているのが奇跡だと医師に言われた。
中学生くらいには車椅子が必要になるとのことだった。
成人まで生きることは期待できないとまで言われた。
現実を突きつけられた瞬間、野球のことなどどうでもよかった。
ただ、生きていてくれるだけでいい。
しかし、いつか我輩よりも先に死ぬ日がくる。
なかなか受け入れることなどできなかった。
だが、いつの日か気がついたら、もう期待などしない、今、この瞬間生きていることだけで感謝しようと、思うようになっていた。
現実を受け入れ感謝するだけだった。
子供は子供の人生がある。
我輩には我輩の人生がある。
だから、子供に期待せずに、自分に期待し、自分の人生を歩もうと決めた。
そんなこんなで、長男は今年で二十歳。
成人を迎える歳まで生きてくれている。
車いすも使わずに元気に、そして誰に似たのか生意気に。
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